<老後の保障・一生の医療保障をどう考えるか−その3>
勝野花子さん(69歳女性、ご主人と二人暮し)の場合


 勝野さんはご主人と二人暮らしの現在69歳の女性です
 「死んだときのお金は必要ないけれど、病気で入院なんかした時のために保険に入っておいた方が良いかしら。」と言う勝野さんは現在保険には全く入っていません。
 高齢者はどんどん増えていますが、高齢者の入れる保険はそのような人口の高齢化に十分に対処できているとは言えません。
 生命保険にしろ医療保険にしろ、年齢が高くなれば保険料はどんどん高くなります。保険金や給付金の額と保険料の額をしっかり見比べないと、せっせと保険料を払ったあげく、もらえる保険金や給付金は保険料より何割か少ないという事も十分あります。
 お金は持ってると全部使っちゃうからいざという時まとまったお金がない、という人の場合は、きちんきちんと保険料を払って、いざという時のための準備をしておいた方が良いでしょう。もっと自己管理がきちんとできる人の場合、保険に入る代わりに月々一定の額を貯蓄しておいていざという時に備えるというのも一つの戦略です。
 いざという時まとまったお金を用意することはできないけれど、毎月少しづつの負担だったら何とかなるというのだったら、負担を平準化(ならす)ために保険に入るのも良いことです。いざという時、ある程度までならまとまったお金を用意することができるのであれば、保険に入るのは却ってコスト高になるかもしれません。
 高齢者になると入れる保険の種類も限定されてきますし、保険金額も低く抑えられてしまいます。何かあったときに受け取れる保険金額があらかじめ用意できるくらいの金額でしかなかったら保険に入らなくても良いかもしれません。勝野さんはまだお元気で仕事もあり、定期的な収入があります。ご主人も年金収入があるので日常的な生活には困りません。いざという時のために、あるいはちょっとまとまったお金が必要な時のためにご主人の退職金も一部貯金で残してあります。
 69歳で入れる医療保険としてアフラックの終身医療保険を見てみました。例えば一番手軽なAFLACの医療保険、入院日額5,000円で、1回の入院が60日分まで保障されます。60日分といえば30万円です。次々と何度も別の病気で入院を繰り返すのでない限り、30万円あればこの保険には入らなくても良いかもしれません。保険料は月払で6,000円ですから、60日丸まる入院したときの給付金が4年分の保険料とほぼ同じです。
 今のところ先生はお元気です。このあたりも踏まえて、じっくり医療保険、介護保険など検討することにしました。また、必ずしも相続対策は必要ないにしても、死んだときには元本が保障されている資産運用としての変額年金保険についても、今までやったことのない投資、という頭の体操がただで楽しめる、という機能も含めて考えてみようということになりました。