【Inswatch】165 <9/29/2003>

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【6】窓の外は立食いそば(無謀な新米乗合代理店の日常)    新越 博之

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(9)世の中そんなに甘くない!の巻 (最終回)

◇個人企業の保険を見ています。  

個人(ご夫婦)で会社を経営しているご家庭の保険をアドバイスする機会を得 ました。サラリーマンよりは多くの保険に加入しています。お二人とも50歳に なられ、加入している保険への絶対的な信頼が揺らいできたので、相談に来られ た次第です。

◇旦那の変な定期付終身  

事のきっかけは、充分な金額に入っていると信じていた定期付終身保険のうち 1本が、最近(50歳で)保険料の払込が満了してしまい200万円の終身保険 に化けてしまったことでした。数千万円の死亡保障が減ってしまいました。別の 1本も55歳で同様の結果となってしまいます。「これじゃ死ねなじゃないか! △△さんに騙された!」とボヤクことシキリの状況です。ここだけ見ていると保 険会社側の売り逃げに見えるのですが、世の中そんなに甘くないことが次に判明 しました。

◇旦那のすごい年金  

ところで、旦那さんの個人年金保険は10年保障付終身年金逓増型でした。6 5歳から100万円の年金が10年間、75歳からは年金額が5割(50万円) 増えて150万円となります。80歳からは200万円、85歳からは250万 円、と5年ごとに年金額が50万円づつ増えてゆきます。さて、ここのおばあち ゃんは100歳の誕生日を迎え「都知事から表彰された」長生きの家系であるこ とがわかりました。一体この契約者は何千万円の年金を受取ることになるのかと 思わず計算し驚いてしまいました。契約者は「これじゃ死ねない!」と騒いでい るのですから、年金を払う方の保険会社はさぞかし大変だろうなぁと感じました。

◇奥さんも負けていない  

「奥さんの郵便局も個人年金も全部出して下さい!」とお願いすると出てくる ではありませんか!まずは、平成3年に加入した郵便局の普通養老保険。月額8, 350円を30年支払うと満期金が1.6倍の500万円となって戻ってきます。 奥さんは得意満面名です。次に、平成元年に加入した個人年金保険は月額15, 000円を23年支払って、5年間据え置き、10年の有期年金で受給すると2 倍以上の860万円まで増える契約となってしまいました。思わず「いい仕事し てますね!」と奥さんを誉めてしまいました。

◇奥さんの変な終身保険  

これも郵便局の500万よ!と出てきたのは、数年前に加入した郵便局の特別 終身保険でした。400万円分が生存給付金として支払われるため、養老保険と 同じように高利回りと信じている様子です。65歳、70歳、75歳、80歳で それぞれ100万円づつ支払われ、その後の死亡保障が100万円残るという商 品ですが、65歳時点での原価に割引いて計算すると「こんなに少なくなるんで すよ」と説明したところ、「XXさんにハメられたわ!」となってしまいました。 今度は契約者側が、本日2回目の「世の中そんなに甘くない」となってしまいま した。

◇最終回にあたって  

次回はアッと驚く長編でお目にかかりたいと思います。短い期間でしたが、読 者の皆様、様々な形でサポートして頂いた編集局の皆様、ありがとうございまし た。

(アカラクシア(有)マネージャー、カスタマーサービス)
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