【Inswatch】108 <8/26/2002>

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【9】代理店のための生命保険入門(17)            坂本 嘉輝

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変額保険の募集人資格試験用テキスト内容に唖然

◇代理店ネットのメーリングリストを体験して  

前回Ringの会のアドバイザーになるよう中崎さんから命じられたと書きました が、これがRingの会の理事会で正式に承認され、Ringの会のメンバーになること ができました。  

Ringの会のアドバイザーになるということは、具体的にはこれに付随している I-Netというメーリングリストの会員になること、Ringの会の正会員とアドバイ ザー会員とがアクセスできるサイボウズというソフトを使ったInternet上のグル ープウェアに参加すること、アドバイザー会員(およびその他若干名)のための NORAの会というグループに所属することの3つから成っています。  

Ringの会の正会員も独自のメーリングリストを持っていて、NORAの会も同様に 独自のメーリングリストを持っています。それぞれのメーリングリストのメンバ ーが特定のメールアドレスにメールを書いて送信すると、そのリストの全員にメ ールが送られる仕組みです。(言い換えれば、メンバーの誰かがメールを送信す ると、それが全部私の所に来るということです。)  

当初、だいたい月に400通くらいのメールが来ますよということだったのです が、実際はその倍の800通になっています。(始まったのが7月16日でこの記事を 8月16日に書いています。)  このメーリングリストを見るようになって、代理店の皆さんの日常が良くわか るようになりました。私は生保のことしかわからないので、損保主体の代理店さ ん達が日頃何を感じ、何を考えながら活動しているのか、とても興味深く感じて います。私が多少とも知っている生保の代理店の世界と全く違う世界があるんだ なと目からウロコの思いです。

◇生保募集人資格受験とその感想  

さて、前々回かその前(5月のVol. 94でした)に(生保の)募集人試験を受け た話をしました。今回はそれに引き続き2番目の専門課程試験(昔は中級と言っ ていました)と、変額保険の試験を受けました。  

専門課程の試験は前回書いた一般課程(昔の初級)と同様、20何年ぶりの再受 験で20年たっても変わらないなあというのが主な感想です。  変額保険の募集人資格試験は今まで受験の機会を逃していたため、募集人とし ては今回が初めての受験でした。  

教科書を読んで全く唖然とする思いです。内容が16年前、日本に変額保険が導 入された時のその当時の変額保険 − 即ち有期型(変額養老保険)と終身型 (変額終身保険)の内容に沿って書かれていて、しかも日本に変額保険という新 しい商品が導入されたという新鮮さにあふれた記述になっています。この教科書 は、バブル期の変額保険ブームも、その後の販売上のトラブル多発も、それを受 けて変額保険が誰にも注目されなくなった時代も何ら影響されることなく、殆ど 何の変更もされずその新鮮さを持ち続けてきたのだろうと思います。  

その結果として今主力となっている変額年金については、ほんの付け足しの説 明しかなされていません。  大ブームになりつつある一時払変額年金は、商品性が従来の変額保険とは全く 違っているのですが、この教科書では(その結果として試験問題でも)従来型の 変額保険の商品性についてしっかり説明してあっても、今の一時払変額年金の商 品性については全く触れられていません。  

証券会社が窓口で一時払変額年金保険を販売し、この10月からは銀行も一時払 変額年金保険の販売を始めます。それに伴い、膨大な数の証券会社の社員・銀行 員が変額保険の販売資格試験を受けつつあるのですが、このように試験される商 品と販売する商品とが全く違っていて、このような試験は何の意味があるのだろ うと思います。         

(生命保険アクチュアリー (株)アカラックス代表取締役)