【Inswatch】68 <11/19/2001>

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【8】代理店のための生命保険入門(8)            坂本 嘉輝

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金融審6月中間報告に見る生保業界の問題点  

先週までで、とりあえず保険を買う側からの保険評価の議論は中断です。この 先を続けるのはもう少し時間がかかりそうです。

◇中間報告の予定利率問題とその後の動向  

さて、9月11日にニューヨーク・ワシントンの同時テロが起こり、世界経済、 金融マーケットは大揺れに揺れています。その最中、金融審議会は6月に発表し た「生命保険をめぐる総合的な検討に関する中間報告」で提起した予定利率引下 げ問題に対し、反対意見が多かったということでこれを法制化しないと決定しま した。  

この決定を待って(というわけでもないでしょうが)昨日(11月10日)、朝日 生命が営業部門を東京海上あんしん生命に譲渡するというニュースが出ました。 これは当然東邦生命(とGEエジソン)、第百生命(とマニュライフ)のケースを 思い起こさせます。詳細が発表された段階で、その内容について検討したいと思 いますが、それまではしばらくの間、上記の「中間報告」について議論したいと 思います。

◇中間報告の生保をめぐるさまざまな論点  

「中間報告」自体はA4で16頁くらいの小ぶりなレポートなのですが、これに全 部目を通している人はあまり多くないのではないかと思います。一般にマスコミ 等ではこのうち予定利率引下げ問題について注目が集まり(これはそのような発 表の仕方をしているからでもあります)それ以外の論点についてはあまり注意が 払われていませんが、実際は生命保険業界をとりまく様々な問題点について、盛 りだくさんに触れているレポートです。  

これからしばらくこのレポートに沿っていくつかのテーマについて話をしてみ たいと思います。皆さんが生保会社の経営について理解を深め、それを皆さんの お客さんに説明することにより、お客さんも生保会社のことをより良く理解して もらえることになるのでないかと期待しています。  

都合の良いことに、この中間報告は金融庁のお役人が自分達に都合の良いよう に書いてあるので、問題として指摘しなければならない部分が多数あります。こ れをまとめて、パブリックオピニオンへの応募の形で金融庁に送った文章は私の ホームページ<www.linkclub.or.jp/~lax/>に載せてありますが、これをもう少 しわかりやすい形で説明していきたいと考えています。  

次回の記事を書く前に朝日生命の行方は何か詳細がわかるでしょうか。                        

(生命保険アクチュアリー)