【Inswatch】５９　<9/17/2001>

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８】代理店のための生命保険入門（６）　　　　　　　　　　　　坂本　嘉輝

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＜その６＞確率論、賭けとくじ引きの話の締めくくり 　

今まで３回にわたり、賭けあるいはくじ引きの話をしてきました。今回はその 締めくくりです。 　

毎回、皆さんの答を知らせて頂きたいと書いてきましたが、残念ながらほとん ど回答がありませんでした。それでも皆さんの回答は多分、かなり有利な条件で ないと私の提案した賭け、あるいはくじ引きには参加しない、ということではな いかと思います。（ごく少数の私に送って頂いた回答でもそれは明らかで、多少 でもリスクのある賭けには全く参加するつもりはないとか、あるいはロスがごく 少額の一定額の範囲内でない限り参加しないというものでした） 　

さて、今回の設問は今までとチョット違います。２回目（７月の inswatch Vol.50-1号）で、990万円の賭け金を払って確率99%で100万円返ってくる（10万 円の儲け）、１％の確率で賭け金が戻ってこない（990万円の損）という賭けの 話をしました。３回目の（８月の inswatch Vol.55-1号）ではこれを言い換えて、 くじ引きをして100回に99回の割合で10万円もらえる、100回に１回の割合で990 万円払わなければいけないというくじ引きの話をしました。 　

皆さん、こんな賭けあるいはくじ引きには参加したくないという事だったと思 いますが、ここで、何かの間違いで、あるいは酔った勢いで、あるいは家族の誰 かが騙されて、と理由は何でも良いのですが、既にこの賭けに参加することにな ってしまったと想定してください。気がついてみたら不本意ながらこんなリスク の高い、高額な賭けをするはめになってしまった。そんな時、みるからに怪しげ なニーチャンが現れて、「15万円払ってくれれば、賭けに負けて990万円損する 時に備えて、その損を肩代わりするために、1,000万円払ってあげるけど、どう？ 乗らない？」と声をかけて来たとします。 　

即ち無条件に15万円支払う。確率99%で賭けのほうで10万円の儲けの時、この 15万円分もう負担しているので、ネットで5万円の損、確率１％で賭けの方で990 万円損するとき、ニーチャンから1,000万円もらう。さらに最初に15万円もう払 っているので全体としてネットで5万円の損ということになります。 　

即ちニーチャンがいないときは確率99%で10万円儲かるけれど、確率１％で990 万円損する。ニーチャンの話に乗ると確率100%で5万円の損。確実に5万円損する けれど、990万円という高額の損は回避することができる。さて、あなたはこの ニーチャンの話に乗りますか、どうですか。 　

この15万円という値段、高過ぎると言うのであれば、いくらだったら話に乗り ますか（もちろん、10万円より高くないと話になりませんが）。15万円だったら 安いと思う人はいくらまでだったらこの話に乗りますか（20万円でも話に乗りま すか？　100万円では？　500万円では？） 　

このニーチャンは見るからに怪しいけれど、実は支払いについては信頼できる （取りっぱぐれがない、持ち逃げなどしない）ものとします。 　

990万円のケースを例に書きましたが、これ以外のケース（99万円のケース、9 万9千円のケース、あるいは9,900万円のケース等々）についても考えてみて下さ い。 　

皆さんからの回答をお願いするのは今回で一段落です。もしよかったらこれま での分もあわせて、下記宛、皆さんの回答をお寄せください。

e-mail; sakamoto.y@acalax.jp

Fax; 03-5209-1259 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

（生命保険アクチュアリー）