2013年 2月 25日  inswatch Vol. 656

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保険ウオッチング                    坂本 嘉輝

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生保各社の保険料政策の違い

さて、ここのところ毎月生保の予定利率の引き下げの話をしています。

先月は日生の、責任準備金計算用の予定利率は引き下げるけれど保険料計算用の予定利率は引き下げない、という対応について書きましたが、今度は住友生命が、責任準備金計算用の予定利率の引き下げに伴い保険料計算用の予定利率は引き下げるけれど、その他の予定率を変更して保険料の引き上げではなく保険料の引き下げをする、という発表をしています。とはいえすべての保険種類でこのよ うなことは不可能ですからごく一部の、とはいえ主力の商品と思われるものの保険料を引き下げる、ということのようです。その他の商品については保険料の引き上げ、ということになります。一部の商品であっても他社が保険料を高くする時に保険料を安くする、というのはなかなか宣伝効果がありそうです。

今週の金曜日からはもうすでに3月になります。いよいよ決算の最終月です。各社の12月末の第3四半期報告も発表されていますが、今のところまだそれほど大きな動きもないように思えます。先の総選挙での自民党の大勝を受け、とりあえず株は上がっており、為替もかなりの円安になっています。とはいえ長期金利はまだまだ低いままで推移していますから生保をはじめ金融機関の決算にとっては一番都合のいい状況です。

安倍さんの訪米もうまくいったようで、当面は野党も与党の足を引っ張ることができずにいるしかなさそうですね。

社団法人・財団法人のいわゆる公益法人の共済を、新しい一般社団法人・財団法人あるいは公益社団法人・財団法人に移行した後も継続して続けるための認可特定保険業者の認可申請も、中断なく営業を続けるための認可の期限は来月(3月)中です。認可特定保険業者になる業者がどれくらいあるのか現状がまるでわかりませんが、少額短期保険業者の時のことを考えると、なんとか滑り込みセーフになることを目指して多分最後の折衝が続いていることと思います。

公益法人ではない、いわゆる無認可共済が一般社団法人を新たに作って認可特定保険業者になって共済を続ける、というケースも実際どれくらいの数になるのか、興味があります。

アイリオ生命が4月から楽天生命に名前を変える、ということのようです。名前を変えて、いよいよ楽天が本格的に生命保険をやる、ということでしょうか、あるいは楽天の子会社にはなったものの経営は今までどおり、ということでしょうか。多分4月以降、答が出てくるんでしょうね。

(生命保険アクチュアリー、(株)アカラックス代表取締役) http://www.acalax.jp