2012年 11月 26日  inswatch Vol. 643

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保険ウオッチング                    坂本 嘉輝

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いよいよ総選挙

ようやく『近いうち解散』が実現し、来月(12月)は総選挙です。ついでに東京都知事選挙も同日に投票ということになってしまいましたが。

さすがに自民党や公明党はすぐに公約なりマニフェストなりを発表していますが、民主党はこれからです。こんなにばらばらの民主党がどうやって公約なりマニフェストなりをまとめるんだろう、という気もしますが27日には発表されるようです。

今度の選挙、マスコミによると争点は原発・TPP・消費税の三点セットだ、 ということです。年金はもはや主な争点にはなりえないのでしょうね。いいことです。

今日(11月25日)のテレビでは野田さんと安倍さんがインフレ・デフレ論争をしていました。これはいずれにしても神学論争のようなものなのですが、どっちも政策でインフレにしたりデフレにしたりすることができる、と思っているようですから、あんまり意味のある議論ではありません。日本のバブルがはじけた後、散々日本をバカにしていた(ノーベル賞学者の)クルーグマンですら最近では自分の誤りを認めて反省している、というのに、政治家の先生たちにはまだわから ないんでしょうね。インフレ・デフレが自由にコントロールできるのであればバブルも生じないし、バブルがはじけてこんなに長いこと景気が良くならない、ということもありません。

日本の景気にとっても世界の景気にとっても現在、一番大きな要因はユーロ危機ですが、またまた問題になりそうな状況です。ここしばらくの円安は今後の円高を派手にアピールするための準備作業のような気がします。ギリシャにすでに約束済みの追加的な資金援助を実施するにあたり、資金援助をする側がお金を出し渋って延々と会議を続け、その過程で、資金援助をすることは決めたもののその資金を誰が(どの国が)出すのか、ということがまるで決まっていなかった、ということがはっきりしてしまいました。すなわち、資金援助の約束は口約束でしかなかった、ということが明確になってしまった、ということです。ギリシャもスペインもこんな状況では口約束を当てにすることができない、という中、いよいよ火の手はフランスに及ぼうとしているようです。当分はアメリカも中国も韓国も日本も、これに振り回され続けるしかないんでしょうね。

ところで、ライフネット生命については興味を持って見続けているのですが、先週、株価が大幅に下がっています。株式公開後、1,000円から一時は1,300円台まで行ったものが、その後8ヵ月間、ジワリジワリと下がろうとしてもなんとか1,000円をキープしていたのですが、それが一気に840円を切る水準になっています。この間、一般的な株価の動きはむしろちょっと高くなっているのですから、何か特殊なことが起こっているのかもしれません。ライフネット生命の新しいビジネスモデルがうまく機能するかどうか、ここが正念場なのかもしれません。

(生命保険アクチュアリー、(株)アカラックス代表取締役) http://www.acalax.jp