2010年 11月22日  inswatch Vol. 538

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【5】保険ウオッチング                    坂本 嘉輝

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

認可特定保険業者制、還付請求の話題 

白鵬の連勝記録がストップして残念でしたね。とはいえ、まだ当分は白鵬の独走体制ですから、お楽しみは来年に先送りされたという所でしょうか。また来年どこまで連勝記録を伸ばせるか、楽しみですね。

国会は次から次へ問題だらけでなかなか進まないでちょっと心配しましたが、いつの間にか(11月12日)「保険業法の改正の改正」の法案が成立してしまいました。新たな「認可特定保険業者」という制度ができることになります。

これで現在共済事業を行なっている公益法人の、新しい社団法人・財団法人への移行の手続きも進み始めるでしょう。

この前の保険業法改正の結果、共済事業の継続を断念した無認可共済で「新しい認可特定保険業者として復活を果たそう」という所がいくつ位出てくるか、楽しみです。

年金の二重課税の問題の雑所得の計算、国税庁から解説が出てようやく計算方法がはっきりしました。何とも複雑な計算になってしまったものです。これも金利計算の複利計算を嫌がってむりやり単利計算にしようとした結果なのでしょうが、ここまで複雑になってしまうと素直に複利計算にしておけば良かったと思わざるを得ません。

この複雑な計算に興味がありましたら、この解説を見てみて下さい。
http://www.acalax.info/bbs/zatushotoku.pdf

今は過去に受取った年金についての所得税等の還付請求の話題だけですが、新しい計算方式は今後受け取る年金にも、今後販売される年金にも適用されることになります。

となると、新契約の募集の際にも説明しなきゃならないということになるのですが、一体どんな説明になるんでしょう。まさか「税務署に問い合わせて下さい」なんてことにはできないからある程度の説明はしなきゃならないでしょうが、あの複雑な計算をわかりやすく説明することができるんでしょうか。

いくつか生命保険会社のホームページや生保協会のホームページを見てみましたが、還付請求に関する生命保険会社からの通知についてコメントしているものはありましたが、新契約について募集時にどういう説明をしたら良いかというものはまだ見当たりません。ただ今「鋭意作成中」といった所でしょうか。

今週末には生命保険会社の多くが9月中間決算(半期報告)を発表します。とりあえず国債の利回りが低いままですから決算もそれほど大したことはないでしょうが、来年の3月末にかけ金利が上がってくると、債券の値下がりが心配ですね。

(生命保険アクチュアリー、(株)アカラックス代表取締役) http://www.acalax.jp