2010年 6月28日　　inswatch　Vol. ５１７

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【６】保険ウオッチング　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　坂本　嘉輝

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責任準備金の時価評価

いよいよ参議院選挙が始まってしまいました。鳩山さん・小沢さんが一緒にやめてしまい（とはいえ、党首・幹事長を辞めただけで、議員を辞めたわけではありませんが）、その後菅さんが組閣に十分時間をかけ、結局何もしないで国会を 終えてしまいました。菅さんは相変わらず『何も言わない』戦法を堅持しようとしているようです。今まで言ったのは『最小不幸社会』とか『強い経済、強い財政、強い社会保障』という、なんとなくかっこいいけれど中身はなんだかはっきりしない、具体性・現実性のない言葉だけです。あと、消費税について『自民党が10%と言っているから10%』と、これはまあ具体的な数字が入っていますがその中身については何もわかりません。

とりあえず中身のない言葉をしゃべっている限りは聞くほうが勝手に自分の好きな中身を入れて期待してくれる、少なくとも反対されることはない、ということだし、消費税についても『自民党と同じ』と言っておけば、他党はともかく自民党に対して圧倒的に不利になることはない、というなかなか頭のいいやり方なのかもしれません。これを自民党をはじめとする与党がどう攻めていくのか、7月11日の投票日まで楽しみです。

サッカーのワールドカップも日本が予定通り決勝トーナメントに進んでしまい ましたのでまだまだ見続けなければなりません。あとたった4回勝てば優勝です。その決勝戦も7月11日（というか7月12日の未明）ですから、開票速報を見ながら決勝戦（決勝戦を見ながら開票速報）という忙しいことになります。いずれにしてもそれまで寝不足の日々が続きそうです。大相撲の名古屋場所も予定では初日が同じく7月11日なんですが、こちらは開催できるのかどうか。

で、先月お話した「保険業法等の一部を改正する法律の一部を改正する法律案」（公益法人その他の共済事業を継続させるための法律案）ですが、殆ど審議しないままで国会が終わっちゃいました。とりあえず『閉会中審査』要するに『継続審査』ということになっていますから、まだ生き残ってはいるのですが。

6月16日に金融庁は『経済価値ベースのソルベンシー規制の導入に係るフィールドテストの実施について』という文書を発表しました。いよいよ経済価値ベースの保険負債評価、要するに責任準備金の時価評価が始まります。

今の所フィールドテスト、ということで試験的に責任準備金の時価評価をやってみて、問題点等を洗い出す、ということのようです。時価評価のやり方しだいで保険会社の財務状況の見方が大幅に変わってしまうかもしれません。

この6月に『全保険会社に試行依頼』して来年の3月を目処に『結果概要の公表』となっています。実際に計算をする各保険会社の人は大変ですが、どんなことになるのか今から楽しみです。

（生命保険アクチュアリー、（株）アカラックス代表取締役）　http://www.acalax.jp