2010年 2月22日 inswatch Vol. 499
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【4】保険ウオッチング 坂本 嘉輝
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3月末に向かって課題山積の政治・経済
◇目が離せないギリシャの財政危機
オリンピックが始まり、残念!だったりヤッター!だったり、いずれにしても民主党がらみの話題で何とも消化不良でフラストレーションをためるより健康によさそうですね。
民主党が選挙に勝って半年、予算にしても普天間の問題にしても、マニフェストで言っていたことは何も実現できなそうだ、ということがはっきりしてきました。そろそろ民主党も自民党もマニフェスト違反のどうのという議論は次の選挙までとりあえず中止して、本当に国として今何をしなければならないのか、と言う議論を始めたらどうなんでしょう。
民主党もできもしないマニフェストで有権者をだましていたわけではなく、本気でできると信じていたわけですし、有権者もうすうすそこらへんを知っていながらそれで良いということで政権交代を実現してしまったのですから。
ここまでで民主党の議員さんも、マニフェストが簡単には実現できないこと、官僚に助けてもらわないと何もできないことをこの半年で十分勉強したでしょうから、これからもう少し身のある議論ができるのではないかと思うんですが。
先々週末、生保各社の12月末の決算が開示されました。四半期ベースの開示は決算の開示よりかなり簡略版になっていて細かいところがわからないのですが、昨年末に比べるとまだ良好な状態を保っているようです。 とはいえ、問題はこれからの1ヵ月です。
ギリシャの財政危機が問題となっており、EUが支援する、と言うことになっていますが、今のところ口先だけの支援のようで、実際にお金を出す話にはなっていないようですから、これが本当に解決につながるのかどうかまだわかりません。
これから3月末に向かって、円ユーロ、円ドルの為替レートからは目を離せません。国会で予算の審議も鳩山さん、小沢さんの政治資金、脱税の問題でなかなか予算の話にはなりません。結論が出たところで、国債の増発が改めてはっきりして長期金利の上昇、国債価格の暴落が心配です。
◇GDPのプラス成長のニュース
こんな中、GDPが3四半期連続でプラス成長していることが発表されました。
いまだに実質GDPの伸びを話題にしているのはなんともあきれはてることです。
マスコミが不勉強なのか、経済学者がちゃんと教えてあげないのかわかりませんが。
実質GDPというのは、インフレのために名目GDPでは経済の成長が水増しされて計算・表示されてしまうようなときにそれを避けるためにインフレ率を実質GDPより名目GDPのほうが重要な指標になります。
久しぶりに話題になっている春闘でも名目給与を増やすか増やさないか、が話題であって、実質ベースで給与が増えるなら名目べーすでは給与は減ってもかまわない、というような議論は聞いたことがありません。企業業績にしても実質ベースで増益だから名目ベースでは減益でもまあ良いか、なんて議論は聞いたことがありません。
そんなわけで私は経済成長率は基本的に名目ベースで見るようにしているのですが、今回のGDPの発表では、新聞報道などではあまり取り上げられなかったのですが、名目ベースでも成長率が7期ぶりにプラスになった、ということです。
これは久しぶりにいいニュースかもしれません。
◇注目されるネット生保の新たな展開
SBIがSBIアクサ生命の経営から手を引く、という話がありました。SBIアクサ生命の経営戦略はこれからどうなるんでしょう。また、SBIはもうこれで生保会社はあきらめるんでしょうか、3度目の正直でまた何か新しいことを考えているんでしょうか。
ライフネット生命はこれまでの医療保険・定期保険に加えて3つ目の商品の発売を発表しました。今度は就業不能保険ということです。詳しい中身はまだ出ていませんが、ライフネット生命のこれまでの『保険料を半分にする』という戦略が維持できるのかどうか、興味があります。
(生命保険アクチュアリー、(株)アカラックス代表取締役)http://www.acalax.jp