2010年 1月25日  inswatch Vol. 495

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【4】保険ウオッチング                    坂本 嘉輝

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目が離せない政財界、保険界の動き 

遅まきながら、2010年 明けましておめでとうございます。

年が明けていよいよ国会が始まりました。とはいえ、鳩山問題・小沢問題で予算の議論などどこに行ってしまったんでしょう。たとえ議論が始まったとしても、肝腎の財務大臣が直前に菅さんに交代してしまって、どこまでちゃんとした議論ができるかどうかわかりませんが。予算を決めた小沢さんも検察の事情聴取を受け、今週もまた大騒ぎでしょう。とりあえず補正予算だけはけりが付くようですが。

民主党は次々にぼろを出すし、にもかかわらず自民党も攻めあぐんでいて何ともすっきりしません。管さんが財務大臣になって円安発言をしてちょっと為替が動きましたが、すぐに戻って今はもう円高です。いずれにしても鳩山内閣のどの 大臣が何を言おうと、いつでも簡単にひっくり返ってしまうので何の意味もないということが誰の目にもはっきりしてしまって、何をやるにしてもよりどころがなくなってしまって大変ですね。3月に向かっていよいよ官僚の皆さんの登場でしょうか?

日航も破綻処理になってしまって、関係者も金融機関も大変です。京セラの稲盛さんがCEOにかつぎ出されるようですが、あれだけの大所帯の日航を一朝一夕にイナモリ教に染め上げるわけにもいきませんから、結局晩節を全うすることができずに終わるのではないでしょうか。偉い人が偉いままで終わる、というのはなかなか難しいものですね。とりあえず一般債権は全額保証する、ということなので、影響は今後、じわりじわりと出てくる、ということになりそうです。

大手の銀行はこの日航のために、ではないでしょうが、すでに大型増資をしてしまっていますから、この件で決算がどうにかなるということにはならないでしょうが、保険会社のほうはどうなんでしょうか。

PCAがいよいよ新契約の取扱いを停止したとか、海の向こうでアリコの買収交渉がかなりの所まで来たとかの話はありますが、今の所それ以外は特段の3月末に向けての増資等の話は出ていないようです。とはいえこのまま小沢問題・普天間問題で国会が空回りしていると、3月末はひょっとするとマーケットがとんでもないことにならないとも限りません。そんなことは起こってもらいたくはありませんが。

来月には12月末の決算の数字を発表することになっているのでそろそろいろいろな動きが出てくるものでしょう。

民主党が先送りしてきた様々の改革法案は、今の所まだ国会に提案されてもいないようです。いつになったら本当の姿が見えてくるのでしょう。

生保会社も損保会社も一応保険法対応の準備は終えたようですが、実際の実務ということになると、これから大変そうですね。損保の重複契約の場合の取扱の資料を先日目にすることがありましたが、これをきちんとお客様に説明しなければならないとなったら、損保代理店も大変ですね。保険法対応の実務がちゃんと定着するまでには、なかなか時間がかかりそうです。

ということで、今年も宜しくお願い致します。

(生命保険アクチュアリー、(株)アカラックス代表取締役) http://www.acalax.jp