2008年 6月 9日  inswatch Vol. 410

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【4】保険ウオッチング                    坂本 嘉輝

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

郵便局で変額年金保険の販売が開始  

保険法が5月30日に成立しました。保険会社各社とも、これを受けて約款の改定で忙しくなります。来年の春にはまた募集資料の全面差し替えで振り回されるのでしょうか。

少額短期保険業者の登録が、4月に入ってしばらくストップしていたのですが、5月の後半からまた新規登録が増え、5月6月のこれまでで8社増えて39社になりました。以前の金融庁長官の60社という目標からすると、あと約20社ということになります。

3月までに登録を済ませて営業を開始している会社はこれから3月末の決算の数値を公表することになります。どんな結果が出てくるか、楽しみです。

生命保険会社各社の決算発表も出揃いました。今期の決算では、ソルベンシーマージン比率の表の様式が変わったり、いよいよかんぽ生命の決算数値が公表されたり、いろいろ興味深いところがありますが、その分析はもう少し先になります。

さて、5月29日から、いよいよ郵便局で変額年金保険の販売が開始されました。郵便局会社とゆうちょ銀行が生保4社の代理店として、全国のすべての都道府県をカバーする161店舗(郵便局79店、ゆうちょ銀行82店)で変額年金保険の販売を開始しました。

発売されたのは
   ・住友生命の【たのしみYOU】
   ・アイエヌジー生命の【すりーすてっぷ年金】
   ・三井住友海上メットライフ生命の【しあわせ定期便】
   ・アリコ・ジャパンの【ゆうゆうつみたて年金】 の4社4商品です。

住友生命の【たのしみYOU】は最も標準的な一時払変額年金保険で、死亡保障や年金原資の最低保証も一時払保険料額までで、ラチェットもありません。アイエヌジー生命の【すりーすてっぷ年金】はステップアップという仕組みで最高で一時払保険料額の1.3倍までの死亡保障の最低保証があり、ラチェットもあります。年金支払開始時の年金原資も同じように最低保証されています。      

三井住友海上メットライフ生命の【しあわせ定期便】は今はやりの、1年後から年金が受け取れるタイプの商品です。アリコ・ジャパンの【ゆうゆうつみたて年金】は一時払保険料と分割払(規則的増額という名前です)の保険料を組み合わせた、積立型の商品です。

それぞれ工夫してできるだけシンプルでわかりやすい商品にしているようですが、それでも4商品、それぞれ内容も違うし、会社が違って取り扱い方法の違いもいろいろあるので、それをどこまで消化できるか、すなわちお客さんにどこまで理解できるように説明できるか、説明するために営業担当者がどこまで正確に商品を理解できるか、なかなか難しいように思います。

郵便局会社とゆうちょ銀行でそれぞれ売っている商品、販売代理店がそれぞれ郵便局会社とゆうちょ銀行ですからその部分は変わっていますが、それ以外のところはほとんど同じ内容の募集資料が使われています。どこかで入手して見てみてはいかがでしょうか。

(生命保険アクチュアリー、(株)アカラックス代表取締役)  
http://www.acalax.jp