2007年 10月 22日  inswatch Vol. 377

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【5】保険ウオッチング                    坂本 嘉輝

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銀行窓販・相反する調査結果と原因分析

生保の不払いの報告がまとまり、これに対して金融庁がどのような対応をするかみものです。

そちらはさておき、12月にいよいよ保険商品の銀行窓販の全面解禁ということになりそうですが、そのために10月3日に「保険の基本問題に関するワーキンググループ」の会議が開かれており、その問題が議論されています。

議論の内容より、そこに提出されている各団体からの資料がなかなか面白いものです。
  http://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/dai2/siryou/20071003.html

金融庁・生保協会・損保協会・外国損保協会・生保労連・損保労連・JAIFA(生命保険ファイナンシャルアドバイザー協会)・損保代理業協会・仲立人協会・在日米国商工会議所・全銀協・地銀協会・第二地銀協会・信用組合協会・信用組合中央協会と、関係団体全員集合というような感じです

保険の銀行窓販を全面解禁しても問題ないという金融庁や銀行業界の各団体の意見と、銀行窓販を解禁すべきでないという生保協会や、特に生保労連・JAIFAの意見が対立しています。

中でも特に生保労連の資料がみものです。

金融庁の調査と生保労連の調査を対比して
    圧力募集の事例  (17件 対  1,323件)
    顧客データ流用等 (45件 対  1,609件
    不適切募集等   (75件 対   817件)
    迂回販売等     (なし 対   433件)
という調査結果も興味深いですが、それ以上にこのような全く異なる調査結果になった原因分析の所がなかなか面白いです。

実態調査等はその結果だけに注目して判断しがちですが、その前に何をどのように調査し集計したかを確認する必要があるということが良くわかります。

金融庁の資料と付き合わせてみると面白いと思います。

この生保労連の資料は38ページもありますが、最初の5ページだけでも十分読みごたえがあります。後ろの方にも具体的な常例がたくさん付いていて、なかなか面白く読めます。

(生命保険アクチュアリー (株)アカラックス代表取締役)  
http://www.acalax.jp