2007年 2月 26日  inswatch Vol. 343

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【4】保険ウオッチング                    坂本 嘉輝

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

金融庁、監督指針・187件のコメントとそれへの回答

保険募集の際の意向確認書面の作成・交付の手続きに関する『保険会社向けの総合的な監督指針』『少額短期保険業者向けの監督指針』改正に関するパブリックコメントの手続きが終わり、『コメントの概要及びコメントに対する金融庁の考え方』と最終的な改正後の監督指針が発表されました。

「保険会社向けの総合的な監督指針」及び「少額短期保険業者向けの監督指針」の一部改正について   
http://www.fsa.go.jp/news/18/hoken/20070222-1.html

今回の変更は手続き的な部分が多いので、『コメントの概要及びコメントに対する金融庁の考え方』は53ページにわたって187件のコメントに対して個々に金融庁の回答がついています。

コメントの概要及びコメントに対する金融庁の考え方(PDF:187K)    
http://www.fsa.go.jp/news/18/hoken/20070222-1/01.pdf

金融庁のほうは、コメントに答える形で手続きの詳細に関する考え方を示し、今後の各保険会社・生保協会・損保協会による具体的な手続き方法の検討に方向付けをしようとしているようです。コメント、というのも多くは質問であり、特に、この解釈でいいのか、とかこのやり方でいいのか、とかこの場合はこの手続きをしなくてもいいのか、というような質問事項が多くなっています。

今回のルールには適用除外(意向確認書面の手続きをしなくてもいい場合)となるケースがあるので、どのようなケースが適用除外になるのか(言い換えればどのような募集方法にすれば今回の意向確認書面の手続きをしないで済ませられるのか)についての質問がかなりありました。

また、銀行窓販を反映して、募集代理店としての銀行からの質問や、保険会社・少額短期保険業コールセンターによる電話販売、インターネット経由の販売など保険募集の多様化を反映したなかなか面白いものになっています。

今後、この最終的な監督指針とコメントに対する金融庁の考え方をベースに業界と各社でルール作り・書類作りが行われ、具体的な募集活動に関する指示が保険会社から募集人・代理店に対してなされることになります。昨年のようにまたしても大量の書類の新規配布や廃棄が発生することになります。

昨年の重要事項の説明のケースと同様、今回の新ルールも4月1日から適用されるけれど間に合わない場合には9月末までの猶予期間が設けられています。

興味がなければ強いて今回の大量の資料に目を通す必要もないでしょうが、今後の募集活動のルール変更の根拠となるものですから、そのことだけは覚えておいてください。

(生命保険アクチュアリー、(株)アカラックス代表取締役)   
http://www.acalax.jp