2006年 9月25日  inswatch Vol. 321

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【4】保険ウオッチング                    坂本 嘉輝

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

特定保険業者としての届け出状況レポート

無認可共済の特定保険業者としての届け出の期限が、いよいよ今週末に迫ってきました。私もいくつかの共済のコンサルティングで、財務局での届け出のミーティングに参加しています。

届け出の必要な特定保険業者がどれ位の数になるかわかりませんが、少なくとも数百、場合によったら何千にもなるかも知れないと思われていたのですが、9月上旬の段階でまだ届け出をしている特定保険業者の数が百ちょっとと、かなり出足が遅いようです。

金融庁もその状況を受け先月末に、「共済会・互助会などを運営されている方へ保険業法改正に伴う金融庁からのお知らせ」というメモをホームページに掲載し、期限までの届け出を呼びかけています。          
 http://www.fsa.go.jp/news/18/hoken/20060831-2.html

これを待っていたわけでもないでしょうが、9月の半ば以降特定保険業者の届け出は一気に増加して、いまやどこの財務局も担当者がテンテコマイの大忙しの状況のようです。今日もある特定保険業者の届け出に同席したのですが、担当官 は「この後もすぐ次のアポが入ってます」ということでした。

私も同席したある財務局での届け出を例に取ると、届け出の期間は4月1日から9月末までの6ヵ月間、私が行ったのが9月11日でその財務局での扱いはたったの5件目くらいだったものが、20日の段階で20件くらいになっているということです。この調子で行くと今月末には50件くらいになるのでしょうか。

この比率で行くと9月上旬の百数十件が最終的に千数百件ということになり、いわゆる「想定の範囲内」ということになるのでしょうか。10月に入ったら実際の数が公表されるものと思います。

もちろん特定保険業者がそのまま保険会社や少額短期保険業者になるというわけではありませんので、これから2008年3月の期限まで、事業の継続と生き残りのために様々な合従連衡、合併・買収その他の動きが出てくるものと思います。

また新規に保険会社あるいは少額短期保険業者を立ち上げ、保険業界への参入を目指す動きも多数表面化してくるものと思います。今後とも新しい保険業者の 動向には注目していきたいと思います。

(生命保険アクチュアリー、(株)アカラックス代表取締役)
http://www.acalax.jp