2006年 3月27日  inswatch Vol. 295

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【5】保険ウオッチング                    坂本 嘉輝

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4月からの保険事業・販売ルールの変更

いよいよ4月から無認可共済の保険会社化の保険業法が施行されます。改正保険業法によって導入される少額短期保険業者に関する「監督指針」が2月末に公表されました。  
   http://www.fsa.go.jp/news/newsj/17/hoken/f-20060224-4.html  
   http://www.fsa.go.jp/news/newsj/17/hoken/f-20060224-4.pdf

少額短期保険業者はほぼ保険会社なみの業務管理体制を求められるため、新規参入はかなりハードルが高いものとなりそうです。無認可共済はとりあえず4月以降、特定保険業者として届出の手続きをするとしても、2年間の猶予期間中に身の振り方を決めるのに苦労しそうです。

昨年の暮に公表されたこの保険業法に係る保険業法施行令・施行規則等の改正についても、パブリックコメントの結果のまとめが公表されました。
   http://www.fsa.go.jp/news/newsj/17/hoken/20060309-1.html  
   http://www.fsa.go.jp/news/newsj/17/hoken/20060309-1.pdf

これに合わせてその翌日の官報に、最終的な施行令・施行規則も正式に公表されています。

保険会社については募集時の重要事項の説明の手続きが変わることになります。
   http://www.fsa.go.jp/news/newsj/17/hoken/f-20060228-2.html

重要事項のうち「最低限の情報提供として、特に説明すべき重要事項」について、「契約概要」と「注意喚起情報」に分けてこれらを記載した書類を契約申込者に渡し、それを受取って理解した旨の確認印を契約申込者から取り付けるという手続きです。

この書類を作成するための具体的なガイドラインを生保協会・損保協会がそれぞれ作成し、公表しています。  
   http://www.seiho.or.jp/news/h18/180313.html  
   http://www.sonpo.or.jp/action/action_guideline2006.html

新しいルールの実施は4月1日からとなりますが、生損保各社、多分準備が間に合わないのではないかと思います。その場合各社は金融庁に一札入れて9月末までに体制整備を完了させることで勘弁してもらうということになりそうです。

新しいルールは少額短期保険業者にも適用されます。また無認可共済が特定保険業者になる場合には、その特定保険業者について特定保険業者の届出をする前であっても4月1日から重要事項の説明のルールが適用されます。

「保険商品の販売勧誘のあり方に関する検討チーム」では、さらにこの次のステップの手続きを検討しています。  
   http://www.fsa.go.jp/news/newsj/17/hoken/f-20060301-1.html

また保険会社に料率変更権のある医療保険等については、重要事項の説明に追加的な記載が要請されることになります(こちらは来年の4月からです)。  
   http://www.fsa.go.jp/news/newsj/17/hoken/f-20060210-1.html

景気が回復し、損保の方は相変わらず保険金不払い問題でゴタゴタしていますが、生保の方は業績回復で保険料率改訂(低料)や契約者配当の増配が話題になっています。いずれにしてもいろいろ忙しいことになりそうです。

(生命保険アクチュアリー、(株)アカラックス代表取締役)
http://www.acalax.jp