2005年 8月 22日  inswatch Vol. 264

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【4】業界ウオッチング                    坂本 嘉輝

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お盆休みを挟んで業界揺るがす損保「支払い漏れ」  

皆さん お盆休みはゆっくり骨休めできたでしょうか。
お盆開け直後の宮城県沖地震はかなりの揺れでしたが、あまり大きな被害もなく、何よりでした。

お盆休みを狙ったように、日経新聞の8月13日(土)の朝刊に損保の保険金不払いの記事が出ています。(日経新聞 8月13日(土)朝刊4ページ参照)

郵政民営化の国会解散・刺客騒動、東京三菱とUFJの合併延期、お盆休みのどさくさ紛れに新聞を読む人があまりいないお盆初日の新聞での発表です。

明治安田生命の場合は「保険金不払い」、この記事は「保険金支払い洩れ」とできるだけ波風を立てないようにとの配慮が随所に見られます。というのも明治安田は1社の問題ですが、損保の方は全社の問題ですから。

明治安田の不払いは、約款をわかった上で保険金を意図的に払わなかったという話です。

損保の方は「保険金支払い洩れ」という表現で、意図的でなかったと言い逃れしようというのでしょうが、それでは逆に約款も理解しないで保険会社をやっているのかと言われたらどうするんでしょう。システムの問題だという話で説明をつけようという意図もわかりますが、5万件もの不払いを、システムはともかく担当者や代理店は気が付かなかったのか、ということになります。いずれにしても説明は難しそうです。

代理店の皆さんは、ご自分の保有契約で支払い洩れがなかったかどうか、早急の確認と対応が必要でしょう。

もう一つ、お盆の直前8月12日(金)に、金融庁から無認可共済の保険会社化に関連する政省令の改正について、「改正案の骨子(案)」なるものが発表されました。     『保険業法施行令・保険業法施行規則等の改正案の骨子(案)の公表について』
  http://www.fsa.go.jp/news/newsj/17/hoken/f-20050812-7.html      

こちらはお盆休みのどさくさ紛れということではなく、お役所の人事異動の前に政省令を完成させることができなかったので、「骨子(案)」で一応の締めくくりをつけて、あとは後任の人にやってもらうということでしょうか。この骨子(案)をパブリックコメントにかけ、そのあとで改めて政省令の改正(案)をパブリックコメントにかけるということです。

せっかく作った「少額短期保険業者」の制度ですが、商品について制約が多い上にほとんど保険会社と同じようにあれもやれ、これもやれということになっていますので、これではあまり有効に活用されないかも知れません。資本金は少しで良いけれど、小口の契約ばかりでそれほど大儲けできないにもかかわらず、保 険会社並に余計なコストばかりかかる。これなら当分何もしないで様子を見ようか、ということになりかねません。

(生命保険アクチュアリー、(株)アカラックス代表取締役) http://www.acalax.jp