2005年 6月 20日  inswatch Vol. 255

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【4】業界ウオッチング                    坂本 嘉輝

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パブリックコメントから見られる新ルールの内容

  ここへ来て、保険会社関係の規則変更が一度に多数公表され、パブリックコメントの手続きにかけられています。

http://www.fsa.go.jp/news/newsj/16/hoken/f-20050609-1.html
(契約者保護機構の政府補助と変額保険の販売、一時払い保険の販売にかかわる 諸変更)

http://www.fsa.go.jp/news/newsj/16/hoken/f-20050610-4.html
(銀行窓販の範囲拡大に関する諸ルール)

http://www.fsa.go.jp/news/newsj/16/hoken/f-20050617-3.html    
(法律に書かれていない具体的な行政の保険会社に対する監督ルールの全体像を総まとめにしたもの)

です。

  パブリックコメントになってしまった以上、もう決まってしまったようなものです。今更意見を言ってみても何も変わらずに法律になり、ルールになります。その分、チョット早めに新しいルールを知ることができます。

  2番目のものは銀行窓販の範囲拡大について、6ヵ月後くらいをめどに、生保であれば一時払い養老、一時払い終身、短期(10年以内)の養老保険、損保であれば自動車保険以外の個人向け保険を解禁し、その2年後をめどに全ての保険の窓販を解禁する、というものです。銀行の圧力募集を排除するために募集対象を制限する規定が盛り込まれていますが、その規定はそのような保険募集を『手数料を得て行なってはならない』ということになっています。何のことはない、手数料をもらわなければ保険募集をしてもいい、という規定です。これではほとんど何の規制にもなりません。結局窓販拡大反対の大騒ぎはなんだったんでしょうか。どのような条件で銀行と保険会社が手打ちをしたのでしょうか。

  3番目のものは、金融庁はこのような方針で保険会社を監督するよ(だから保険会社はそのつもりで会社を運営してね)、ということを公表することにより、法律に縛られないで実質的に保険会社の事業運営に関するルールを作る、というものです。本文214ページ、様式・参考資料が229ページという大部のものです。保険会社がいかに事細かに規制されているか、チョット覗いてみてはいかがでしょうか。

(生命保険アクチュアリー、(株)アカラックス代表取締役)    
http://www.acalax.jp