2005年 4月 18日  inswatch Vol. 246

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【4】業界ウオッチング                    坂本 嘉輝

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保険商品の販売勧誘で審議開始など

 4月になり、新年度が始まりました。 この3月末は株も債券もそれほど大きな値動きがなかったので、生保会社も各社とも決算を締めるために四苦八苦というような声は聞かれませんでした。この 連休明けくらいには次第に決算の様子がわかってくるかも知れません。

無認可共済を保険業法の中に取り込むための保険業法改正案があまり話題にもならないまま、4月13日に衆議院の財務金融委員会で可決され、14日に衆議院本会議でも可決されて参議院に送られました。

特段反対意見を強く主張する人もいないので、国会が開かれていればこのまま参議院でもすんなり可決、来年の4月から施行、ということになりそうです。国会が・・・と条件を付けたのは郵政の民営化の話で、自民党と小泉さんの対立が次第に煮詰まって来ているからです。

焦点は24日の衆議院の補欠選挙で山拓さんが当選できるかどうか、ということでしょうが、この結果次第では郵政民営化の対立がどうにもならなくなってしまい、ひょっとすると国会解散ということになってしまうかも知れません。解散されるのは参議院ではなく衆議院なのですが、そうなると参議院の方も閉会になってしまうのでそれ以上の審議ができなくなります。その前に参議院でもすんなり 可決、ということにはならないでしょうから。

ここへきてようやくいくつか、無認可共済に関する案件で相談が来るようになりました。20日にはアカラックス主催でこの保険業法改正案の解説のためのセミナーも開催します。

 これとは別に、金融庁の「保険商品の販売勧誘のあり方に関する検討チーム」の議論がいよいよ始まりました。その1回目の議事要旨が発表されています。 http://www.fsa.go.jp/singi/singi_ins_p/index.html

ここに、事務局から提案された、検討すべき論点が列挙されています。主なテーマは『説明すべき重要事項は何か』・『適合性の原則をどう守らせるか』・『比較広告をどのように行なわせるか』ということですが、これを見る限りまたもや規制強化でいろんな手続きが増えることになりそうです。

手続きといえば、個人情報保護法の関係でも訳のわからない山程の手続きで、保険会社も代理店も3月4月と振り回されました。お役人や保険会社の責任回避のために、代理店が振り回されるというのは、願い下げにしたいものですが、まあ百年河清を待つっていう所でしょうか。        

(生命保険アクチュアリー、(株)アカラックス代表取締役) http://www.acalax.jp