2004年 10月 18日 inswatch Vol. 220
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【4】業界ウオッチング 坂本 嘉輝
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無認可共済問題の論点整理メモ
◇無認可共済の議論の整理
金融審議会での無認可共済の議論について、パブリックコメントの手続きが始まっています。http://www.fsa.go.jp/news/newsj/16/hoken/f-20041005-1.html
論点整理メモとは言いながら、実態は論点が整理されているというよりは単なる様々な意見の列挙と言った方が良いようなものです。 この無認可共済の問題を整理すると
1.不特定多数を対象とする無認可(無免許)保険事業をどうするか
2.不特定多数を対象とする認可共済の形の保険事業をどうするか
3.特定多数を対象とする無認可共済をどうするか
4.特定少数を対象とする無認可共済をどうするか
という形で考える必要があると思います。
◇不特定多数を対象とするケースへの対応
特に金融庁に1.のケースを本気で規制する覚悟があるのか、2.のケースをきちんと保険事業とする覚悟があるのか、ということでしょう。
免許をもらいに来ている会社にいろいろ注文をつけるのは簡単ですが、何のコンタクトもなく勝手に無免許で保険事業をやっている団体を本気でコントロールするつもりでしょうか。また、既に他の官庁が認可共済というお墨付きを与えている団体に対して、そ の官庁を向こうにまわして保険事業としての規制をかぶせることができるのでしょうか。
◇罰則規定の考え方
現行の保険業法では、保険会社に対しては必要最低資本と実体的監督主義に基く罰則規定によって、保険会社に対する規則・監督が効果があるようになっているわけですが、共済の場合はここの所をどのように考えるのか、どのような罰則を用意するか、罰則の対象は誰なのか、考える必要があります。
保険では契約者保護のために保険会社を規制する、ということになるのですが、共済は加入者の集まり、ということになると、加入者保護のために加入者(の集まり)を規制するということになるのでしょうか。
◇規制を歓迎する向きも
既存の無認可共済のうちの大きなところは、かえって規制ができるのを待っているのかも知れません。ルールがはっきり決まれば、それを回避する方法は見つけることができますし、そうなったら無認可といういわば日陰の存在から『お役所のお墨付きをもらった』と正々堂々と日の当る所へ出て来ることができるわけです。マルチだからといって一方的に禁止することもできないでしょう。 こんな視点で論点整理メモを見ながら様々な意見について考えてみて下さい。
(生命保険アクチュアリー、(株)アカラックス代表取締役 http://www.acalax.jp)